8人が本棚に入れています
本棚に追加
一日目
「何処だよ……此所は?」
茹だる様な蒸し暑さに目を覚ましたら、其処は見知らぬ場所、というより暗くて良く分からない。
そもそも何でこんな所に居るんだ?
不意に身体に感じる違和感。
「何だよ、これっ!?」
俺の両手両足が動かない、と言うより縛られてる?
押せども退けども抗えないそれは、拷問で捕らわれた時に漫画でよくある鎖の鉄錠で、四方から繋がれていた。
おまけに何故か素っ裸……だと?
この俺が一糸纏わぬ姿で捕らわれているとは、なんという屈辱の極み。
「糞ったれがぁっ!!」
無意味に叫んでみた処で、反響して木霊するだけだった。
落ち着け俺。少し冷静になって考えてみよう。
何故こんな状態なのか?
一体誰がこんな事を?
「…………」
思い出せない……。目が覚める前の記憶が飛んでいる。
――その時だった。
「誰だっ!!」
何やら鉄格子が開くような音が聴こえたのは。
それに続く足音。誰かが近付いてくる。
そして電球が点けられたのか、此処の全貌が露となった。
最初のコメントを投稿しよう!