春風が吹いたら 第11話

｢ごめんなさい。｣と｢ありがとう。｣ 2

我慢してたのに涙は勝手に流れていった。

それを見ていた高瀬からふざけた雰囲気が消える。

悔しくて悔しくて目をそらす事しかできない自分も悲しくて今すぐこの場から消えてしまいたかった。

｢悪かったな、からかい過ぎた。｣

大きな手が遥の頭を包んだ。

｢そんなに泣くなよ。｣

遥は子供のように泣いた。