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店内に入ってきたのは花束を抱えた綺麗な女の人だった。
ざわついていた店内が少しずつ静かになり、店内にいる常連客全員が彼女に注目する。
どうやらみんな、彼女の事を知っているらしい。
「お前・・・、どうしてここに・・・?」
険しい表情を浮かべ、俊哉が彼女に向かいここへ来た事情を尋ねる。
彼女は少し気まずそうな表情を浮かべながら、苦みを帯びた笑みを浮かべる。
そしてゆっくりと口を開き、俊哉が投げ掛けた質問に対し自分の思いを語り始めた。
「どうして・・・って・・・。
アヤの誕生日をお祝いしに来たのよ。
でも、・・・私は招かれざる客だったみたいね。」
苦笑いを浮かべながら彼女は静かにアヤの方へとゆっくり近付いて行く。
しかしアヤは、彼女から目を逸らしその場で俯いた。
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