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「アヤ、お誕生日おめでとう。」
そう言って彼女は、アヤに花束を差し出した。
しかしアヤは彼女から目を逸らしたまま、差し出されたその腕を無視し決して花束を受け取ろうとはしない。
花束を受け取らずにいるアヤを見て、彼女は呆れたように深い溜め息を吐いた。
「もう・・・、子どもじゃないんだから。
そんな強情はやめてよね。
・・・かっこ悪い。」
「・・・うるせぇよ。
早く帰れ・・・。」
アヤはまだ彼女と視線を合わせようとはしない。
むしろ彼の手には力が入り、とてつもない怒りに震えているようにも見える。
彼女はアヤの言動に呆れ果て、仕方なさそうに花束を差し出した手を下ろす。
そして少し寂しげな表情を浮かべ、やや上から目線な口調でアヤに向かいこう話し始めた。
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