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3件目に入ったビジネスホテル。
テレビでコマーシャルをやってるところ。
やっと取れた部屋は、本当に狭くて、
ツインのベッドとテーブルのセットはあるけれど、
座ったら歩ける通路さえ確保できないほど。
「やっぱり都会のホテルは狭いんだね?」
「そりゃ、ラブホとかとは違うよ。
ラブホにしときゃ良かったか?」
さすがにそれは…
遊びじゃないんだし。
「あーもぅ、足がパンパン。
こんなに歩くなんて思わなかった…」
靴を脱いで素足になる。
足の指を思いっきり開いて…
「そんな靴履いてるからだよ。
ちょっと休んだらご飯食べて靴買いに行こうぜ?
スニーカーじゃないと明日も歩けない。」
そうか。
ちょっとお洒落したからな…
「麻美ちゃん、
本当にここにいるのかな…
こんなに人がいっぱい居るところで、
やっていけてるとは想わないんだけど…」
私もそう想う。
「麻美ちゃんはさ、
自分をそんなに追いつめなくていいんだと思うけど。
麻美ちゃんが悪いワケじゃないんだから。
そんな勇気がある子じゃないと思ってた…」
あの子は強い子よ?
自分より相手のことを考える子。
だからほっとけないんだって…
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