第1章

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そうだ… 考えてみたら、元々麻美の追っかけやってたし、 誰かの付き添いだって言ったけど、 本当はずっと麻美のこと……? そう考えたら辻褄が合う。 麻美に毅くんっていう恋人が出来て、 私と遊ぶようになったし、 麻美が学校に来なくなってなんとなく付き合う感じで。 今度は麻美が辛い気持ちで居ることが解って… 麻美の心配ばっかり。 こんな時まで麻美の話… 妙に心配してせっかく貯めたバイト代まで惜しげもなく、 麻美を捜すのに使ってもいいと… 「やめて! もうイヤ。 麻美の代わりなんて。」 覆い被さった浩二をはねのけて、 私は立ち上がる。 裸のままでベッドの周りに散らばった服をかき集めて… 「私、帰るから。」 ヤだよ… 麻美のことは心配だけど、 こんなことで麻美のことをヘンな風に思いたくない。 ひとりで捜すよ。 浩二となんて、 一緒に捜したくない。 男って… 結局そう。 浩二だけはって想ってたのに。 「どうした? ゆこ。 なんか、ヘンなこと言ったか?」 自分で解ってないの? 「本当は麻美のことが好きなんだって言ったらいいじゃん。 私は麻美のかわりなんだって。 そうしたら私だって割り切れるのに。」
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