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「何訳の分かんないこと言ってんだよ。
俺が好きなのはゆこなんだって…」
口先だけでしょ?
「いいよ。
もうそう言うの…
麻美はひとりで捜すし、
捜したかったら浩二は別で捜してよね。」
帰る支度をしながら、
浩二の顔を見ずにそう言うと、
浩二は私を後ろから抱き締める…
「もうイヤだってば。
麻美のことが好きなのに私を身代わりにしないで!」
「相変わらずバカだな…」
冷静にそう言う浩二の声が頭の上でちょっと寂しそう…
「バカですよ…どうせ。」
手を止める。
涙がでそうで、力が入らない。
「バカついでに相当な勘違い。」
静かに抱き締める…
もういい…
取り繕わないで。
その腕を振り解こうとするけど、できない
「離してよ…
帰るんだから。」
「何を勘違いしてるのか知らないけど。
俺が好きなのは、ゆこ。
これは高校の時から変わらない。
前にも言ったろ?
高校の時にあいつと付き合ってる時から好きだたって。
だけど、
ゆこはあいつのことが好きで…
だからずっと言えなかったんだって。」
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