第1章

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「何訳の分かんないこと言ってんだよ。 俺が好きなのはゆこなんだって…」 口先だけでしょ? 「いいよ。 もうそう言うの… 麻美はひとりで捜すし、 捜したかったら浩二は別で捜してよね。」 帰る支度をしながら、 浩二の顔を見ずにそう言うと、 浩二は私を後ろから抱き締める… 「もうイヤだってば。 麻美のことが好きなのに私を身代わりにしないで!」 「相変わらずバカだな…」 冷静にそう言う浩二の声が頭の上でちょっと寂しそう… 「バカですよ…どうせ。」 手を止める。 涙がでそうで、力が入らない。 「バカついでに相当な勘違い。」 静かに抱き締める… もういい… 取り繕わないで。 その腕を振り解こうとするけど、できない 「離してよ… 帰るんだから。」 「何を勘違いしてるのか知らないけど。 俺が好きなのは、ゆこ。 これは高校の時から変わらない。 前にも言ったろ? 高校の時にあいつと付き合ってる時から好きだたって。 だけど、 ゆこはあいつのことが好きで… だからずっと言えなかったんだって。」
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