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佐神「急にそんな事言われても困りますよ。俺はただの事務のバイトで……」
言い合っていると、ズバン、と大きな音。御堂が苛立ってルービックキューブを壁に投げつけたのだ。衝撃でパーツの一部が外れて散らばってしまう。
佐神「ず、ずいぶん、乱暴そうな人ですね」
大佐「苛立っているんだよ。いろいろあるんだ」
医者「確かに、ストレス源は多いでしょうね。ダメ男とか」
佐神「何で俺のせいみたいな流れになってるんですか?」
大佐「ここまで来て引き返すかね? さっさと行ってこい」
佐神は二人に押し出されるようにして、ガラスの向こうへ。佐神は戸惑いながらもベッドに近づく。
佐神「はじめまして? えっと、御堂結絃、だっけ?」
佐神は話しかけて御堂に顔を挙げさせようとするが、御堂は反応しない。俯いたままで表情は見えない。
佐神「結絃って、男みたいな名前だよな。俺は佐神颯。さっき聞こえてたかもしれないけど、機巧研のバイトだ。名前が女っぽかったから間違えて採用されたとか言われてさぁ、本当、いい加減な組織だよな」
御堂「……」
御堂はゆっくり視線を上げて佐神の顔を睨みつける。かなりの美少女。佐神は息を呑む。
が、慌てて手を出す。握手のつもり。御堂は鼻で笑う。
御堂「なにそれ。それで恩でも売った気なの? クズが」
佐神「てめぇ。ケンカなら買うぞ……」
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