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もう4月。
それなのに今夜は雪が降っている。
雪と風の冷たさを感じながら、私は静かに螺旋階段を駆け下りた。
駐車場に停めた自分の車に乗り込みエンジンを掛ける。
しかし、私はすぐに車を出す事ができなかった。
「・・・最悪っ。」
溢れ出る涙のせいで視界は遮られてしまう。
早くこの場を離れたいのに、ろくに前を見る事さえもできないのだ。
アヤは私の後を追ってはこなかった。
やっぱり彼は、自分の寂しさを埋めるために私への好意を口にしただけなのだろう。
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