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名前を決めた事でボク自身、劇的に変化できた。
ただの自称に過ぎない名前で――
ナカマからの嘲笑に対し、最初は「カメじゃない!“カメ太”だ!」と心中で呟くだけだった。
だけど、たったそれだけの事でボクの心は驚く程軽くなったんだ。
それまでは嘲笑されても下を向き、あるいは甲羅に閉じ籠ってただひたすらに耐えるしか出来なかった。
何度涙したか数え切れない程に…。
それが例え心の中であっても反論出来るようになった事で、何故か見返せたような気分になれたんだ。
それからは心中で名前を呟くだけで不思議と自信が満ち、勇気が湧き、いつしか嘲笑や揶揄等気にも止めなくなっていた。
ただ、自分の名前を教えたい、知って貰いたいという欲望が大きくなっていった。
そんな折に奴等がやって来てしまった。
そしてボクはウサギのウサ吉君と出会ったんだ。
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