出会い

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「奴等が来たぞー!」 「チッ!ここも駄目なのか!」 「早く逃げろー!」 「待って!まだ子供が!」 「お母さッ……」 「もう手遅れだ!逃げろ!」 「くそッ!なんだって奴等はッ!」 また奴等がやって来た。 これでこの森もおしまいだろう…… これで何度目だろうか、森を追われるのは。 「くそッ!せめて一矢報いてやる!」 「おい!やめろ!無駄死にする気か!?」 「やってみなきゃ解らんだろッ!?」 「やめろ!戻れ!戻るんだー!」 直後大きな音が鳴り響く。 そしてあの嫌な匂いが漂ってくる。 以前どこかの森の長老が言っていた“鉄の塊を飛ばす筒”が使われたのだろう。 「チッ、馬鹿が!無駄死にしやがって……」 「おい!そこのお前も早く逃げろ!」 解ってる。 解ってるさ。 この森は終わりだ。 また次の森へ行かなきゃ……。
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