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その時、
肩をポンと誰かに叩かれた。
「亜矢。」
聴き慣れたその声に、ハッっと横を見ると
そこには、青ざめた巧さんが立っていた。
「た、巧さん。無事だったの……?」
「……どうした?」
「わ、私。
なんかイヤな予感がして。
事故に遭ったのは、巧さんかと……」
「危なかったのは、確かだな。
カバンからこのキーホルダーが落ちて、拾ってたら、
目の前にトラックが突っ込んできたから。
これが落ちてなかったら、
俺も横断歩道の上にいたな……」
「そのキーホルダー!」
少し前、二人で一緒に行った恋人岬で
お揃いで買ったもの。
『これを持つ二人は、
永遠に結ばれる』
という都市伝説があったんだ。
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