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その変な都市伝説を聞いてから
数日後。
いつものように二人で、ランチを食べていると、また目をキラキラさせながら、
美嘉が話し始めた。
「聞いて!
昨日の夜、帰る途中ね。
酒井さんが、女の子とホテルに入っていくのを見ちゃった!」
「え……?」
昨日の夜……?
確か、課の飲み会があるって言ってたけど。
まさか、そんなこと。
「それで、お相手の女の子は……?」
私も話に乗るふりをして、
美嘉に探りを入れた。
「女の方は、
後ろ姿しか見えなかったけど、
たぶん、新入社員の田口優奈」
「……あの若さあふれる、
ダイナマイトバディ……」
「そうそう。
酒井さんもあのボディにクラっときちゃったのかな。
腰に手をこうやって回してさ。
ピッタリ密着してて……」
「やだ……」
声が震えてしまうのを必死で隠しながら、
美嘉に相槌をうった。
「ショックだよねー。
まさか、堅そうな酒井さんまで……」
私と酒井巧さんが、
付き合ってることは、社内じゃ秘密にしているから、
美嘉も悪気があって言ってるわけじゃないのだろうけど。
ウソだ……。
巧さんに限って、
そんなこと
絶対、ないはず……。
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