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「でも、背中に、爪の跡が……」
「ん?最近、なんか痒かったけど。
って、そんなことマジで疑ってたのかよ?
俺って、信用されてないのな」
「そうじゃ、なくて。
ただ怖くて……」
本当は、疑ってた。
疑惑なんかじゃなくて、確信してたのに……。
今の巧さんは、
嘘をついているとはとても思えない。
やっぱり噂は噂でしかなかったんだ。
どうして、美嘉の言葉なんて信じちゃったんだろう……。
「俺には、亜矢しかいないと思ってる。
結婚して欲しいんだ」
再び言われたプロポーズの言葉。
目に涙が溜まっていく。
疑って、ごめん……。
私、巧さんを信じるね……。
涙が溜まって視界がぼやけて、
頷くと同時に、
目から涙が一粒、こぼれ落ちた。
「よかった……。
これからもずっとよろしくな」
ほっとしたような穏やかな笑顔を見せてくれる
巧さんが、すごく愛しい。
私は、やっぱり巧さんと一緒に歩いていこう。
これからもずっと。
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