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「……マジで恥ずかしかった……」
「えへへっ」
事件は展覧会の受付で起きた。
絵画の梱包方法なんて知らないから、
出品準備はノンが勝手にやっていた。
だから、知らなかったのだ。
「なんだって、あの絵なんだよ」
「描きたくて描いたんだもん。
お気に入りなんだもん。
トモちゃん、綺麗だったでしょ?」
そうなのだ。
よりによって、人物画部門への出品に、
智樹を描いた作品を選んだのである。
「どんだけ、
受付係に凝視されたと思ってんだよ」
「トモちゃん、綺麗だからなー。
やっぱ鎖骨がポイントかな」
手を伸ばして、鎖骨をスルリと撫でる。
「……襲うぞ」
「お外じゃダメだよー」
室内ならいいのかよ?
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