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繋いだ手を振り回しながら、 上目遣いでノンが首を傾ける。 「次はどこ行くの?」 振り回す尻尾以外に、 『ワクワク』と擬音まで見えてきた。 お前は漫画の1コマかっての。 「やっぱ、犬だな」 「まだペットなの?!」 思わず頭を撫でると、 飛び掛らんばかりの勢いで顔が上がる。 それが可愛いというのに。 「犬にはやっぱ、首輪だろ。  誕生日だし、買ってやるよ」 「犬じゃないってばぁ!」 じゃれ付くノンの手を掴みながら、 智樹は車へと足を進めた。 予定通りの運びに、 内心ほくそ笑みながら。
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