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「しょーちゃん、」
「ん?どしたん?」
「今日、ひなくんしんどそうやし大熊とここに居ってええ?」
「ええよー、」
ため息ばかりのひなくんは、多分しんどいんだと思う。
いつも、俺の為に我慢して笑顔でいてくれるから、今日は俺が我慢して、元気になったらたくさん構ってもらえばいい。
「りょーちゃん、多分やねんけど・・・」
「なん、」
「りょーちゃんが、近くに居た方がしんちゃんも楽やと思うんよ。」
「そんなわけないやん。いっつも我慢させてもうてるし、今日だけ我慢すんねしん。」
我ながら幼稚なのは分かってる。
今日我慢したって、明日からは我慢出来ずに構ってもらいに行ってしまうだろうし、そしたら多分またしんどくなるのに。
でも、今日は本当にしんどそうだから。
寂しくなんかない。なんて自己暗示かけて、気丈に振る舞ってるんじゃないか。
あほ、本当のこと言うな大熊の癖に。
「りょー、こっち来い。」
「ひなくんっ?」
ダッシュでひなくんにきゅ、と抱きつく。
ふわりと回る、ひなくんの長い腕が心地いい。
「我慢させてもうたな?もう大丈夫やで。あんな、諒がこうやってくっついててくれるとな、疲れなんてどっか行ってまうんよ。だから、我慢なんてせんと、いつでもくっつきにおいで。」
「分かった。明日からちゃんと我慢するから、」
今日は諦めてくっついててもええ?
ひなくんが、ありがとう、と言った気がした。
(邪魔したい邪魔したい邪魔したい邪魔したい邪魔したい邪魔したい邪魔したい邪魔したい邪魔したい邪魔したい邪魔したい)
(陽、やめとけって。)
(しぶやーん、ここのさぁ)
(うっさい泰田!)
Fin
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