お世話になりました 橙

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「まるやん。どないしたん?」 「んー、大事な話があるんよ。」 皆口々にどないしたん?って言うけれど、部屋の空気の重さに気付いたのか、いつもの楽屋みたいな賑やかさはなくて。 これから、大切な人の悲しい顔を見る。 「よし、全員揃ったやんな? ・・・ごめん、エイトを辞める。事務所も頷いてくれた。」 「え?」 「なんでなん?なぁまる。なんでなん?まだまだこれからやん。」 「僕は、皆が心から嫌いやったんよ。限界に、なってもうただけやねん。ごめん。」 皆の驚いた顔。 こんな嘘を、つきたくないけど。 僕が死んでしまって、足枷にはなりたくなかつた。 僕が死んで、悲しませたくなかった。 ゆーちん、しぶやん、しんちゃん、やす、りょーちゃん、たつよし。 この6人で、頑張って欲しいから。
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