よっちゃんのご褒美

計画どおり、休日に私は漆黒ボディーでシフォンケーキを作っている。

♪♪毒なんかは入れないよ～♪持ってないし～♪ダイエットの味方やさしいパティシエ桃ろく～～♪♪

てきとーソングを歌うカオもさぞかし悪かろう。だけど笑いが止まらない！

『センナ入り抹茶ケーキ？』

｢ノ～～～ン♪抹茶入りセンナケーキ♪♪♪｣

んっ？

あれ？誰の声？誰に答えたんだ？私。

メレンゲを作る手を止め後ろを見ると至近距離に唇のやたら赤い男の子が立っていた。

｢うわぁぁぁ～！だっ！だれ～っ？！｣

『あのね…、ボクよっちゃん！い・け・な・い・よ・卵を産んだニワトリさんも泣いちゃうよ』

８つは割った卵の殻を見ている。

『それに、ケーキは、し・あ・わ・せ・のお菓子だよ』

ギャー！！！

『大丈夫だよ。いつも桃ろくはまっすぐ頑張ってるから。はい！ご・ほ・う・び！』

ひぇぇぇ～～…………。ｽﾞｷｯ。