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「っ、と…!」
誰かの目に入らないように途中で飛び乗った家屋の屋根から屋根を跳び移り、ようやく喧騒がよく見える位置の屋根へと着地すると両脇に抱えていた戯子才と程立を降ろす
さて、あのド阿呆は……おっ、いた
「はい!はい!はぃぃぃぃぃぃっ!」
趙雲の力強い気合と共に繰り出される鋭い突きが賊らしき男達を一人、また一人と穿っていく
場を見る限り、まだ奴が飛び込んだ直後のようだ
「どうした賊共っ!この常山の昇り龍、趙子龍の武に恐れをなしたか!」
「なんだと…!テメェ等っ、このアマを囲めぇぇぇぇ!」
「…………」
目の前で繰り広げられる戦いを眺めながら腕を組む
「死んだな」
『えっ』
「あれの足元を見てみろ」
驚いた表情を浮かべる二人に顎をしゃくり、趙雲の足元に視線を移す
確かにアイツの槍捌きは手練れと言っていい水準まで達している、だが―――――
「あっ…!」
戯子才の奴は気づいたか。
奴の足元が死体で埋まりかけていることに
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