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「なんだ、てめ───」
「うるせぇ」
いち早く得物を引き抜いて飛び掛かろうとする男に一足踏み込み、抜き打ちで左手の壬生狼を鞘走らせる
「───────!」
逆風に斬り込まれた身体は股から脳天にかけて真っ二つになって滝のような血飛沫を散らす
「……………」
鞘を投げ捨て、左手で頬に付いた血飛沫を拭い、舐め取る
薄い鉄の味が舌を通して口に広がっていく。
「…………別に、恨みがあるわけじゃない」
懐から出した懐紙で壬生狼の血を拭いながらポツリと呟く
「悪いが────これも仕事だ」
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