黒という傭兵

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鞘に納めた壬生狼を素早く斜め上に放り投げ、軽くトントンと右のつま先で地面を叩く。 その傍ら、残りの左足には練り込んだ氣を集め、更に強く練り上げる 「───ふっ!」 次の瞬間、左足の氣を爆発させ、一気に駆け抜ける。すれ違い様に全員の後ろ首に手刀を入れ、残さず首を折って仕留める 縮地からの人体急所に一撃。単独戦闘を多くこなす俺の手口の1つだ さらに──── 「ふっ!」 落下してきた壬生狼をキャッチすると身体をクルリと回転させ、勢いに任せて纏めて切り捨てる (……こんなもんか) 手首を勢いよく返し、血糊を払いながらぼんやり考える。仕留めた数は24。普段なら少し少ないくらいだが気勢を削ぐだけなら充分な数だ 「さて……」 一番奥にいたお陰で胸を浅く斬られただけで済んだ大将格の男の首筋に刃を突きつける 「ぐ………あ………」 「別に殺さなくてもよかったんだが面倒事になりそうだったんで処理させて貰った。お前さんはギリギリ助かりそうだが…どうだね?」 「……や……め」 「ああ、すまんな。時間切れだ────っ!」 容赦なく突き刺そうとした瞬間、背筋が凍り付くような感覚が走り、飛び退く 飛び退いた刹那、俺がいた場所に紅い風が通り抜けた
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