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その社と墓の部分は木が切られ、地が均されているために平らで開けている……つまり、例えるならこの山はお皿に乗ったプリンのような形状をしていることになる。
社の中には何が入っているのか知らないが、集落の人たちはみんなそれを"おみやさん"と呼んでいた。
普段は人が集まることのないこの場所に、お盆初日の夕方だけはぞろぞろと人が集まってくる。
その人たちは皆、それぞれの手に提灯を持って"おみやさん"の前に置かれた大きなろうそくから火をもらう。そしてまたそれぞれの家へと戻って行く。
この火をもらうことができるのは、何故か十五歳以上と決まっていたから、火をもらいにいったのは今回が初めてだった。
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