【5】独占欲は、どこまでも俺を黒くする

10/16

6450人が本棚に入れています
本棚に追加
/678ページ
「……十夜」 「へぇ。覚えてるのか、俺のこと」 数年前よりも格段に高くなった目線は、俺とさほど変わらない。 「久しぶりだな」 向けられる敵視も、あの時から何も変わっていない。 「来てやったぞ。同じフィールドに」 親父から聞いていた。 十夜がこの大学の、しかも俺と同じ商学部に、入学してくるという事。 「入学おめでとう」 「てめーに祝われたところで1ミリも嬉しくねーよ」 十夜が俺に向ける敵視の理由は明白で、否定も出来ない。 俺はこの想いを、受け止めることしか出来ない。 「ところで。さっきの女、お前の彼女?」 ……けれど。
/678ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6450人が本棚に入れています
本棚に追加