【2】頷くことを、切に願って

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正直、俺は動揺していた。 他人の事など微塵にも興味がないはずの俺が、彼女に魅せられて、自らの意志で彼女を家に招き入れた。 今日の俺はどうもおかしい。 虚無感に包まれていたかと思ったら、今は小さな焦燥と、妙な安堵感を感じている。 彼女を救えたかもしれないという想いからだろうか。 穏やかで、どこか温かい気持ちにさえさせられている。 やがておずおずと部屋に現れた彼女は、冷静さを取り戻したのか、俺を少し警戒している様子だった。 蒼白だった顔はやはり特別白いけれど、血の通った色へと変わっていた。 虚ろだった目にも色が宿り、やっと人間らしさを感じられるようになった。 彼女はやはり人間で、天使などではない。 そんなこと分かりきっているはずなのに、やはり今日の俺は、どこかおかしい。
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