【6】君を縛り付ける為の約束を

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教授陣の挨拶が次々と進んでいき、迎えた宮守教授の番。 教授は大人数を前にしても全く変わる事の無い柔らかな物腰で、お決まりの家族愛を語る。 「研究が好きだから授業以外は殆ど研究室にこもってるよー。隣にいるのが優秀な僕の助手、遠山くん」 教授にそう紹介されて、軽く頭を下げる。 この時、俺は「騒がれたくない」という思いから、失礼に値しない程度に俯き、この場が終わるのを静かに待っていた。 しかし、それが逆効果だったのだろうか。 教授が続けた話に、俺は顔を上げざるを得なくなる。 「僕の助手、イケメンでしょー! けど口説いちゃダメだよ。彼には大切な子がいるからね」 ……は? 今、なんて?
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