【6】君を縛り付ける為の約束を

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「今は彼女よりも、優愛の作ってくれる飯のほうがずっといい」 これはセーフティーラインぎりぎりの本音。 俺にとっての「大切な人」など、彼女以外には有り得ないのだけれど 想いを伝える事は、まだ出来ない。 多方面で、問題がありすぎるから。 けれどこれで、少しは彼女の不安も払拭されただろう。 その証拠に、彼女の頬は隠せぬ喜びに赤く染まる。 「……ズルいです」 「ごめんな」 彼女の言う通りだ。 俺はズルくて最低で、救いようのない性悪だ。 分かっているよ、けれど抑えられないんだ。 君の前だと、正しさを失う。
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