【6】君を縛り付ける為の約束を

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「俺も一緒に行くから」 「……え?」 「日曜、行こうか。荷物もあるだろうし、車があったほうがいいだろ」 「で、でも、ご迷惑に……」 「ならないって、いつも言ってるだろ」 彼女に有無を言わせない。 もちろん黒い本音には気付かれないように、いつも通り優しさに包み込んで、言葉を向ける。 彼女を制する、笑顔を作る。 「春樹さん。本当に……ありがとうございます」 「あぁ」 そして彼女は感謝をする。 俺の黒い部分になど、微塵にも気付かずに。
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