【7】全ての悪から、君を守ると決めた

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「送って下さって、本当にありがとうございます。いってきますね」 彼女は不安を隠す為の笑顔を繕い、俺に向けた。 その心構えを、俺は無慈悲にも一蹴する。 「優愛、俺も行くから」 「……え?」 「許可、もらわないとな」 俺の行動に心底驚いたのか、彼女は慌てた様子で先を歩く俺の後を追ってきた。 「待って下さい……!」 焦りを見せる彼女は、俺を止めようと必死だ。 「その、わたし一人で行けます。春樹さんはお構いなく、車の中で待ってて下さい……」 彼女の言いたい事は分かる。 俺に迷惑を掛けたくないという想いも、痛い程に伝わってくる。
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