【7】全ての悪から、君を守ると決めた

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これは俺の憶測に過ぎないが、彼女が突然姿を消した事で、叔母さんは少なからず罪悪感を感じているだろう。 それまで忌み嫌っていた存在であっても、急に失えば不思議と不安が生まれてくるものだ。 ……例えが悪いかもしれないが。 今までいじめていた同級生が、突然学校に来なくなってしまった時に感じる焦燥。 叔母さんにとって、今はそれに等しい状況であると言えるだろう。 しかし彼女には、それまで培ってきた叔母さんに対する先入観がある。 俺がいくら彼女にこの推論を説いた所で、納得するはずもない。 叔母さんは自分を嫌っている。 自分が居なくなって清々している。 だから俺を見た所で、貶(けな)す事しかしない。 そう、思い込んでいるのだろう。
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