【7】全ての悪から、君を守ると決めた

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「優愛さん?」 「正太郎くん……!」 彼女は前方、母屋の玄関に現れた少年の姿に目を見開く。 対して少年も驚きの表情を見せるものの、それはすぐに怪訝なモノへと変わった。 そして彼女に不躾な言葉を向けた後、その視線は俺を捉える。 眉間にしわを寄せ、懐疑的な表情をこれでもかと突き付ける少年。 その姿が、何故か記憶の中の十夜と被り、思わず目を細めた。 数年前、当時はまだ中学生だった十夜と初めて顔を合わせた時も、俺はこんな顔をされたなと、不謹慎にも懐かしく思う。 目の前の少年もあの時の十夜と同じように、俺に対して大きな不信感を抱いているのだろう。 やがて少年は母親を呼びに行くと言い、家の中へと消えていく。 ……いよいよ、叔母さんとの対面だ。
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