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その言葉の意味を、しばし考えた。
叔母さんが彼女の母親である姉を、執拗に恨む理由。
それは本当に、単純な事なのかもしれない。
愛情の質量は、憎悪の深さに比例する。
何かをきっかけに、その人に対する想いが引っくり返った時。
その人に対する愛情が深い程、憎しみも深くなる。
信頼していた人物からの裏切りほど、憎いモノはないのだろう。
俺は他人に深入りしない性格の為か、誰かを深く恨んだ事はない。
けれど、察する事くらいは出来る。
もちろん、叔母さん姉妹の関係が良好だったという保証はない。
けれどそもそも嫌っていた相手なら、それこそ居なくなって清々するはずだ。
……恐らく叔母さんは、姉の事を心から慕っていたのだろう。
だからこそ、一向に姿を見せようとしない姉を、ここまで憎んでいるのだ。
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