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……驚いた。
普段自分の意思を見せない彼女が、こんな質問をしてくるとは。
その意図を、探る。
けれどどうしても、都合の良いようにしか繋がらない。
俺の本音を知りたいと思ってくれているとしか、思えない。
「言っただろ。俺は優愛が思ってるほど、優しい人間じゃない」
そう言って彼女に笑いかけ、言葉を続ける。
「あの時の優愛は、消えてしまいそうだったから。
正直言うと、あの時の優愛の目が昔の俺とどこか重なって見えて、放っておけなかった。
最初は落ち着いたら家に帰そうと思ったよ。優愛は未成年だし、何より女の子だから。
だけど日が経つに連れて、いつの間にか放っとけない、じゃなくなってた」
一呼吸置いて、左脳を動かす。
今ここで、ギリギリの愛情表現は、何か。
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