【7】全ての悪から、君を守ると決めた

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そして少しずつ曝け出す、俺の黒い部分。 中学の時は特に荒れていた事。 金で人の関心を引きつけては遊び回っていたという事。 そして、平気で女遊びもしていたという事。 彼女は、それまで俺に抱いていたイメージを180度覆された気分なのだろう。 相槌を打つ事も忘れ、ただじっと俺の横顔を見つめている。 「だけど高2の時、初めて俺を必要としてくれる人と出会った」 そして決して避けては通る事の出来ない、苦い記憶。 彼女には毒が過ぎる話なので、その全てを語る事は到底出来ない。 彼女の真白の感情に、泥を塗りたくない。 そう理由をつけて、俺はこの記憶があたかも綺麗なモノかのように語ってしまった。 全ては、自分の汚れを知られたくが無い為に。 ……こんな背徳に縛られた記憶など、出来る事ならば抹消してしまいたい。
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