【7】全ての悪から、君を守ると決めた

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そして、大学に入学してから大学院を経て今に至るまでを語り、一呼吸を置いた。 今語った事を頭の中でリピートさせ、冷静に頭を巡らせ、彼女に問う。 「俺は優愛の考えているような、優しい人間じゃなかっただろ」 すると彼女は小さく首を振る。 その姿を見て、驚いた事は確かなんだなと、分かっていても自嘲が漏れる。 「俺が昔遊び人だったこととか、引いた?」 今度は大きく首を振る。 そして彼女は戸惑いながらも、徐ろに口を開いた。 「その過去が今の春樹さんを創っているなら、それは必要な過去だったんです」 ……彼女の言葉は、魔法のようだった。 つい先程まで抹消したいと思っていた記憶が、彼女のたった一言で、価値のある記憶へとすり替わってしまったのだから。
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