【7】全ての悪から、君を守ると決めた

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――ごく一般的な家庭に生まれたとある女性は、名家の子息である男性と恋に落ちた。 しかし男性の父親に結婚を猛反対され、二人は駆け落ちをした。 名家の名を汚された男性の父親は怒り、女性の家族である母と妹は責め立てられ、味方であるはずの親族からも蛇蝎(だかつ)の如く嫌われ、女性は一族の恥と罵られた。 二人の行方は知れぬまま、数年の月日が経った冬のとある日。 二人は突然姿を表した。 授かったばかりの我が子を、腕に抱いて。 二人は家族に何も言わずに出て行ってしまった事、迷惑を掛けた事、それらの過ちをひたすらに詫びた。 そして今に至るまでの事情を大方説明した所で、床につく。 ――そして、迎えた朝。 再び二人は姿を消した。 我が子と、一通の手紙を残して。
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