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けれど、彼女はそれを否定した。
彼女の表情が翳るのを見て、確信した。
ただの、家出ではないと。
怯えるように黙る彼女を少しでも安心させたい一心で、頭を撫でた。
そして問う。
頷くことを、切に願って。
「ここに、居るか?」
俺の優しさは、彼女を繋ぎ止める為の道具であり
同時に、彼女を手に入れる為の代価でもあった。
辛いなら、俺が優しさで包んでやる。
温もりを与えてやる。
だから
俺のところに、おいで。
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