【2】頷くことを、切に願って

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けれど、彼女はそれを否定した。 彼女の表情が翳るのを見て、確信した。 ただの、家出ではないと。 怯えるように黙る彼女を少しでも安心させたい一心で、頭を撫でた。 そして問う。 頷くことを、切に願って。 「ここに、居るか?」 俺の優しさは、彼女を繋ぎ止める為の道具であり 同時に、彼女を手に入れる為の代価でもあった。 辛いなら、俺が優しさで包んでやる。 温もりを与えてやる。 だから 俺のところに、おいで。
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