【7】全ての悪から、君を守ると決めた

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「でも、今ならなんとなく分かります。 お金が無ければ子供を育てることもできないし、一生身を隠して生きていかなければならない両親は、わたしの戸籍を作ることもできない。 だからおばあちゃんに託したんだと、理解できます」 理解出来る、そう言った彼女の横顔に、やはり感情の色は感じられない。 彼女が何を思っているのか、普段ならば手に取るように分かるのに 何故、今に限って分からないのか。 「だけどそれは単なる妄想かもしれません。本当はわたしの存在が邪魔だっただけかもしれません。 両親の真意は分かりません。だから恨むこともできません。 怒りもなければ、悲しいとも、寂しいとも思いません。 会いたいとも思いません。わたしの家族は、産まれた時からおばあちゃん1人でしたから」 ……分からない。 いくら会った事がないからと言って、ここまで生みの親に対して無関心になれるだろうか。 何故、自分を置き去りにした両親に、恨みも怒りも悲しみも生まれないのか。
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