【7】全ての悪から、君を守ると決めた

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俺はこの時、居場所という名の鎖を自らに課し、保護者という名の自制を掛けて 全ての悪から、君を守ると決めた。 もちろん悪とは、俺の欲も含んでいる。 俺が彼女に触れられるのは、自分の感情をコントロール出来るようになり、且つ彼女が俺を受け入れてくれてくれた時。 でなければ、俺は間違いなく、あの時と同じ過ちを犯す。 大切な人の、大切な人生を狂わせる。 俺は彼女の人生を、奪ってしまう。 彼女の両親の願いを叶えたい。 俺は彼女を 優しく、愛したい。 ――この決意が、後々自分だけでなく、彼女をも苦しめる事になるとは、知る由(よし)もなく 腕での中で泣きじゃくる彼女に、密かな愛を込めて そっと、頭を撫でた。
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