【8】今夜はどうにも、眠れそうにない

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「てゆーか、十夜それセクハラだから! 優愛を離せっ!」 二人が俺の元から数メートル程離れた所で、君島さんが止めに入った。 威圧的な十夜にも臆する事無く立ち向かう君島さんの姿を見て、一瞬安堵を覚えたのだが。 「あ? こんな貧乳触っても楽しくねーよ」 十夜のこの一言によって、治まりかけた腹の虫は見事にぶり返されたのだった。 「おい! 羨ましいぞ十夜! 俺も優愛ちゃんに触りたいのに!」 全くだ。 俺も彼女にきちんと触れられたのは、たったの一度きりだというのに。 「黙れ変態ども!」 ……前言撤回。 君島さんの、言う通りだ。 凛太……彼は確か、正木凛太と言ったな。 アイツもあわよくば彼女を狙っているのか? 彼女に悪い虫ばかりが寄ってきて、見ているこちらは気が気ではない。
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