6454人が本棚に入れています
本棚に追加
「……優愛?」
後ろ手に、勢い良く閉めた扉を抑え
肩を大きく揺らし、頬を赤く染め
潤んだ瞳でこちらを見つめた、ウサギの君。
「は……はる……」
絞り出すような声は掠れ
やがてその頬に、涙の筋が落ちる。
「春樹さ……」
続けて1つ、2つと流れていく雫を見て、彼女の身に何かが起きた事を悟った。
慌てて席を立ち、彼女の元へと駆け寄る。
すると彼女は、俺が何かを言うよりも先に
俺の胸に、飛び込んできた。
最初のコメントを投稿しよう!