【8】今夜はどうにも、眠れそうにない

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「……優愛?」 後ろ手に、勢い良く閉めた扉を抑え 肩を大きく揺らし、頬を赤く染め 潤んだ瞳でこちらを見つめた、ウサギの君。 「は……はる……」 絞り出すような声は掠れ やがてその頬に、涙の筋が落ちる。 「春樹さ……」 続けて1つ、2つと流れていく雫を見て、彼女の身に何かが起きた事を悟った。 慌てて席を立ち、彼女の元へと駆け寄る。 すると彼女は、俺が何かを言うよりも先に 俺の胸に、飛び込んできた。
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