【8】今夜はどうにも、眠れそうにない

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「あっ……」 「はるき、さ……」 「やっ……」 甘美な声と、厭らしい水音。 折り重なって、吐息と交わり、温度を上げる。 赤色に舌で触れ、そっと舐め上げて、吸い上げる。 強く、弱く、愛でるように。 「や……はるきさ……」 堪らず、浴衣と白肌の隙間にそっと指を滑り込ませると、華奢な身体が小さく跳ねた。 従順過ぎる反応が余計に俺を掻き立てて、中を煽(あお)る。 彼女の心臓の震えを唇と舌で感じて、箍(たが)が緩む。 ――白肌を隠す邪魔な布を、剥ぎ取ってしまおうか。 決意も努力も捨てて、このまま彼女を抱いてしまおうか。
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