【8】今夜はどうにも、眠れそうにない

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――翌日。 合宿の最終活動である、水族館へと向かう。 昨晩、彼女には十夜に近付かないよう忠告をしたが、アイツから近付いてくる分には彼女も避けようがない。 もしも十夜が彼女に対して好意を抱いているならば、間違いなく再び彼女に接触してくるだろう。 今日は彼女と十夜の動向をしっかりと監視せねばと思い、気を張っていたのだが。 どうやら彼女は昨日の件を君島さんに話したようで、下手に近付く事の出来ない俺よりも、ずっと頼もしいボディガードっぷりを発揮してくれていた。 君島さんは、100%彼女の味方だ。 女子ならば間違いなく好きであろう、イケメンの十夜に媚びる素振りも見せず、彼女の身の安全を第一に考えてくれているのだから。 女同士の友情には表裏が付き物だが、君島さんに関しては純粋な友情であると捉えていいだろう。 ……非常に例えが悪いが。 君島さんはバルサン並みの殺虫力で、彼女に近付く虫たちを駆除してくれるに違いない。 本当に、頼もしい事この上ない。
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