【8】今夜はどうにも、眠れそうにない

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――いい機会だ。 今この場で、色々とハッキリさせておこうか。 「何やってるんだ」 俺は至極冷静を装って、彼女の肩にポンと手を置き、君島さんと十夜の間に割って入った。 「……てめーはかんけーねーだろ」 「学生の風紀を正すのが俺の役目だ」 関係大アリなんだよ。 「君島さん、藍崎さん連れて先行って」 君島さんは俺の言葉に込められた意図を察したのだろう。 直ぐに了承すると、彼女の手を引いて旅館へと向かってくれた。 察しの良い子で助かる。 お陰で気兼ねなく、十夜と二人きりで話が出来る。 俺は一度小さく息をつき、十夜を見据え、低い声を吐き出した。 「お前に優愛はやらねぇよ」
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