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試合中、彼女の叱咤激励の声が微かに聞こえて、高揚した。
あの瞬間だけ、俺はとっくのとうに失った筈の青春に返っていた。
彼女は優しいから、俺と十夜、どちらの事も本気で応援していたのだと思う。
分かっていても、単純な青春野郎には自分の為のエールだったと思えて仕方がなかった。
「ザマーミロ」
十夜には申し訳ないが、容赦なくボッコボコにさせてもらった。
アイツにとっても愛しい存在であろう、彼女のその目の前で。
――俺は、彼女に無理やり手を出したその借りを、返させてもらっただけだ。
正式な場の、正式なルールの元での行いなのだから、それこそ正攻法だろう?
経験者だとか、体力が有り余っているだとか。
チートだろと言われようと、勝ちは勝ちだ。
あぁ、気分がイイ。
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