【9】黒から白は、生まれない

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「それは、その、つ、付き合ってるんじゃないか……とか」 「ふーん?」 俺の笑みを見ないようにと、必死に顔を逸らす彼女の頬は、徐々に赤く染まっていく。 「だって、誤解されちゃいますよ。春樹さん、ファン多いんですから……」 「そんなのいねーよ」 「います、いっぱい。バスケの時で一気に増えました」 ……彼女がここまで俺に楯突くのも珍しい。 「ふーん。興味ない」 「可愛い子もいっぱいいるんですよ?」 「へぇ」 「春樹さんモテますし、わたしなんかと噂になったらもったいないですよ」 恐らく彼女に自覚はないのだろうが、下唇を少し噛むような仕草が、より俺の腹黒を掻き立てる。 そして確信は持ちつつも、意地悪く問うてみた。 「優愛、もしかして妬いてる?」
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