【3】これが性悪な俺のやり方

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いた。 俺の、真下に。 ソファの背もたれにしゃがみ込み、丸くなっている。 どっと押し寄せる、安堵感。 「……おはよ」 恐る恐る顔を上げた彼女は、俺と視線を通わせて、固まる。 「よかった。居なくなってたらどうしようかと思った……」 彼女の頭に、そっと触れた。 柔らかな髪と体温は、彼女がここにいることの証明で 夢との狭間を行き交う意識の中でも、実感出来る確かな現実。 「あー、ごめん、ちょっと顔洗ってくる……」 天からの贈り物が夢で無かった事を確認したところで、俺はソファを後にした。
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