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「藍崎さん、可愛いもんねー。あ、口説いてるんじゃないよ? 僕には愛する家族がいるからね!」
「はい、知ってます。先生は家族想いで素敵ですね」
俺は仕事を中断させると、エスプレッソマシンへと向かう。
「あはは。僕は家族ラブだよー! ちなみに藍崎さんがいま一緒に住んでる親戚の人って、もしかして彼氏だったりするの?」
「えっ!? ちっ、違います!」
1つのカップには、甘味皆無の漆黒のコーヒーを。
もう1つのカップには、牛乳たっぷりの優しいミルクコーヒーを注いだ。
「あれー? その反応だと、男ってことには間違いないんだねー?」
コン!
「教授、あんまり調子に乗るとセクハラで訴えられますよ」
教授は喋り過ぎて、喉が乾いているだろうから。
親切心に極上のスマイルを混ぜた、特製ブラックコーヒーをお届けした。
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