【3】これが性悪な俺のやり方

8/44
前へ
/678ページ
次へ
どうも朝は苦手だ。 足元も、ふらつく。 冷たい水を、顔に浴びる。 ポタリ、ポタリと前髪から落ちる水滴を間近に眺めていると、覚醒と並行するようにやってきたのはーー羞恥心。 昨日、彼女に「好きな時に出て行っていい」などと言っておきながら 今朝は「居なくなってたらどうしようかと思った」……だと? くそ、やってしまった。 もろに本音が出てしまった。 やはり必死に隠そうとしても、何処かでボロが出てしまうものだな。 ……にしても、早過ぎだけどな。 後悔したところで取り消すことも出来ないので、潔く謝ることにしよう。 寝ぼけていたのは事実で、彼女も混乱こそしているだろうが、言葉の意味などさほど気していないだろう。
/678ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6449人が本棚に入れています
本棚に追加