【9】黒から白は、生まれない

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――熱が漂う。 「やぁッ、制服しわになっちゃう……脱が、せて……ッ」 「ウルサイよ、黙って」 背徳を快楽に変えて、艶に歪んだ顔が俺を見上げる。 脱がせる? 面倒だ。 万が一誰かに見られた時に、言い訳も出来ない。 「あ、アァッ……!」 俺の下で、ふしだらに果てた女。 名前は知らない。 興味もない。 「何勝手にイッてんの? 俺、まだなんだけど」 俺を誘ってきた女は、片っ端から抱いた。 高校生の男子には拒否する理由もなかった。 毎日がモノクロだった。 目的も希望もない、冷め切った生活。 心身の寂しさを埋める為に、女を抱いた。 この時だけは、ただ、目の前の熱に夢中になれた。
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